ネット小説☆女達のトラベリン・バス☆251

「遥子ちゃんは何時位に来るって?」

「会社の人と一緒に来るって言ってたから6時半位になるかもって」

遥子が帰ってきた。

一時帰国ではあるがマレーシアでの仕事が軌道に乗って、やっと長い休みを貰う事が出来、武道館最終日に合わせてきたのであった。

前日の日曜日に成田に到着し、そのまま調布の実家に帰省。

本日、事業報告を兼ねて本社に出向き、終業後に上司の一人と武道館へ向かうとの事。

還暦ドームも観られなかったので遥子は、この日、久し振りに麻理子と仲間達と共に最高に美味いビールが飲める事をとても喜び楽しみにしていた。

また翌日は遥子の要望で一緒に雄一郎と澄子の墓参りにも行く予定でもあった。

九段下の駅に着き本日、宿泊するグランド・パレスに荷物を預けて向かいのファミレスでランチ。

その後トランポ撮影の為に武道館へ向かおうとすると、こんな明るい時間から【E.YAZAWAファン大歓迎!】とゆう張り紙を出している居酒屋の看板を見て思わず笑いながら写メを取った。

画像




北の丸公園入口付近には既に一目で【お仲間】だと判る者達が多数行き交っており駐車場のトランポ前でも各グループが代わる代わる記念撮影をしている。

裕司と麻理子も、それ等に交じり撮影していると嗄れ声で白髪交じりのリーゼントの男性がカメラマンを買って出てくれトランポをバックに二人を撮影してくれた。

一般用の駐車場にまで足を運ぶと場内は殆どYAZAWA仕様車で埋まっており車道には同じ様な車が列を成して空きが出来るのを待っている。

「いつ見ても壮観だよなぁ!」

「ねぇ!」

いわゆる旧車は勿論、軽からドデカいワゴンまで車種、デザイン共にバラエティに富んでおりナンバーを見ても日本中全国各地から集まっている様で中には絶滅したと思ってた【竹ヤリ出っ歯】まで有りYAZAWA仕様だと、そんな車もカッコよく見えるから不思議である。

奥に行くとYAZAWA仕様の巨大なバス迄有り所有者の気合いの大きさ、深さを感じさせられ、また日中である為に通りにはファンでは無い一般の人々、近くで働くサラリーマンやOLに地方や外国からの観光客も居り皆が、この独特な光景を興味深げに眺めていた。

一度、武道館を後にして靖国神社を参拝する裕司と麻理子。

此処でも幾人かのYAZAWAファンが礼儀正しくお参りをしていた。

この様に、この季節に成ると武道館周辺は朝からYAZAWAな雰囲気に溢れ、その色合いは時間を経過する事にドンドンと濃く成ってゆくのだった。

そして外国人ビジネスマンやお金持ちのマダムが集うグランド・パレスのロビーに戻ると丁度チェック・インの時間を迎え手続きを済ませ部屋へ。

開場時間迄まだ、たっぷり時間が有るとゆう事でベッドの上で一戦交える麻理子と裕司。


「ああん裕クンのオ○ン○ン気持ちいいぃっ

「あぁっ!凄い!凄いよ麻理ちゃん!!」


お前等、本来の目的を忘れんなよ。


熱く激しい【格闘】の末、危うくウトウトしかけるもカーテンの隙間から漏れる西日で目を覚まし二人交互にシャワーを浴びて着替え。

「ねぇ裕クンどっちがいぃい?」

化粧を終えたバスローブ姿の麻理子がチャイナ・ドレスを両手に尋ねる。

「ん~・・・・・」

ハイカラーの白いYシャツに袖を通しながら考える裕司。

「じゃあコッチ!」

当初は白を着る予定だと聞いていたので折角、持ってきたピンクのドレスをチョイス。

着替える麻理子を手伝い背中のファスナーをゆっくりと上げる。だが

「あれ?」

腰の辺りから上がらなくなる。原因はファスナーが噛んだ為では無い。

「麻理ちゃん・・・・・・お昼ご飯食べ過ぎたんじゃ・・・・・」

「ふにぃ~~っ!!」

この年の誕生日に特注で仕立てドームにも着て行ったチャイナ・ドレス。麻理子の身体にぴったりフィットする物だったので、ちょっとの体型変化でも着れなくなってしまう。

仕方がないので白の方に着替え。こちらはストレッチ素材なので何とか身に着ける事が出来るも、少々お腹がポッコリ出てしまっていた。

「今度からライヴ前は食べる量、抑えようね」

「だってコンサート始まる頃にはお腹ペコペコに成っちゃうんだもん!」

エレベーターを待つ二人。

開いた扉の中に入ると一組のカップルが乗っていた。

身形こそ普通だが手には麻理子達と同じ様に大きなビーチ・タオルを持っている。

「楽しみですね!」

女性の方が麻理子と裕司に話掛けてきた。

「そうですね!」

「盛り上がりましょう!」

短い時間だが談笑しつつ一階に到着。

お互いに譲り合ってしまうも相手方に先を譲りロビーへ。

「わぁ・・・・・・・・」

毎年の事では有るが昼間の国際都市、東京の縮図の様な雰囲気とは打って変わってグランド・パレスのロビーはYAZAWAモードの人、人、人で溢れかえっていた。

だが裕司と麻理子も、その一部。

場所が歌舞伎町だったらホストとキャバ嬢にでも間違えられそうな井出達の二人はフロントにキーを預けてロビーに飾られているクリスマス・ツリーをバックに記念撮影。

自ら進んでシャッターを押してくれた若い男性スタッフに礼を言い武道館へと向かった。


つづく


第壱章:第1話はこちら

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