ネット小説☆女達のトラベリン・バス☆208

「ねぇねぇ澄子さん!」

笑いが一段落した所で千晶が口を開く。

「今年は武道館、私と一緒に行こうよ!私も今年からファン・クラブ入ったから私と一緒にSS席で観よっ!」

「あら、私みたいな御婆さんと一緒でいいの?」

「澄子さん全然御婆さんなんかじゃないよ!」

「もうSS取った気でいるよ」と永悟が呆れる。

「私は永悟と違って日頃の行いが良いから絶対SSゲット出来るもんね!」

「何だよ!まるで俺が日頃の行いが悪いみたいじゃないか!」

永悟は今までSS席だけは一度も当選出来た事が無かった。

「嬉しいけど私なんかより千晶ちゃんのボーイフレンドと一緒に行った方が楽しめるんじゃないかしら?」

「カレシは誘っても行きたがらないんだもん!何かYAZAWAって聞いただけでビビッちゃってるみたいで」

笑いが起こる。そのカレシの気持ちは皆、解らなくもない。

「それじゃ、お言葉に甘えようかしら」

「決まり!約束だからね!」

「ありがとう。きっと私は今年が最後のチャンスでしょうから・・・・・」

「えっ?」

思いがけない澄子の言葉に笑顔を失くす千晶。その時、店のドアが開いた。

「こんばんは~!」

「恭平!」

訪れたのはミスター・ギブソンであった。

「愛美ちゃんコロナちょーだい。で、今日は何の貸切?」慣れた感じで中央の止まり木に座る。

「澄子さんの快気祝い」と愛美が奥の席を手の平で示す。

「あぁ!ご無沙汰してます!」

立ち上がりお辞儀をするギブに笑顔で会釈を返す澄子。

店内を見回して再度着席すると

「洋助は?」

「ダーリンは四国に出張中」

カットしたライムを飲み口に刺してギブの前に置く。

愛美の旦那の洋助は東京本社に勤務となっても出張が多く前年の澄子のバースデー・パーティーの時も青森に居た。

「身体が夜泣きしないか?」

「バーカ」

「バカと言えばさ」ライムを押し込んでコロナを一口飲む。

「馬鹿な噂を耳にしちまったんだけど聞いてない?」

「何よそれ?」

「永ちゃん今年ツアーやらないって」

「・・・・・・エェッ?!」

愛美だけでなく全員がギブの方に注目した。


つづく


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